「シャバいシャバい!」
私よりひとつ年下の社員が職場の電話口で言い放った。
団塊Jr.世代以前なら馴染みのある言葉ではあるが、いかんせん古い。
「弱い」、「いきがり」。土佐弁で言えば「まったい」。
そんな類の昭和のヤンキー言葉である。
また、そういったシャバい人のことを「シャバぞう」などど呼んでいた。
ヤンキー言葉といっても実際そういう方面の連中ばかりでなく、何気に響きの良い語感から男子なら多くの者がたまに真似していたものである。
ご多分に漏れず、言い放った社員なぞ元もやしっ子で、到底中学時代常用していたとは思えないぎこちなさがあり、この者こそがまさにシャバぞうであったであろうことは想像に難くない。
そんなおちゃらけた電話での会話から始まり、いつしか職場では80年代を懐かしむ話題に。
四十も半ばに差し掛かれば、事あるごとに昔は良かったと語り出す懐古趣味に至るのはご愛嬌。
とはいえ決して今の時代を否定するものではなく、懐古主義とは異なる旨ご理解賜りたい。
そんな折、いつしかファッションに話題が移りジェネレーションギャップを楽しみつつも、やはり流行に関しては世相の影響が大きいことを実感した次第である。
中でも80年代は個性を持つことこそが素晴らしいと、個人のアイデンティティが謳われた時代。
70年代の一部殺伐とした様相の反動からか、ファッションはより派手に煌びやかに様変わりしていく。
その影響は画一的な事柄の象徴でもあった学校制服にまで及び、いわゆる変形学生服が幅を利かせる時代へ。
長ランにドカンの流行を経て、私の中学高校時代には短ランにボンタンとその主流が変遷していった。
「ボンタンってなんすかwww」
突然、会話の中に20代の社員が割って入った。
好青年ではあるのだが、どこか少し軽薄な印象も拭えない、今風に言えば少々チャラい男だ。
ボンタンとは?と問いながらも口角が少し上がったその様と細めた目からはそれが何であるのか理解しているのは明白である。
知りながらも問うて来るその姿勢からは、
「ボンタンってあれでしょ、ワタリ巾が広くスソ巾が細い学生ズボンでしょwww?」
「でもおたくら不良出来るほど肝座ってないくせにモテたかったから、ファッションとして控えめなデザインの履いてたんでしょwww」
「ボンタン履いて、チェッカーズのフミヤみたいな前髪して帯屋町の【ショッパーズ】行ってたんでしょwww」
「ジーンズのスソも細いのが流行ってたから、はりまや町の【ジーンズギャラリー501】で買って縫い直してもらってたんでしょwww」
「【ビーバップハイスクール】のミポリンが好きなのも、その前やってた【毎度おさわがせします】でドキドキしてたからでしょwww」
・・・などと言うわけはなく、少々被害妄想が強すぎたか。
ここで「被害妄想」という言葉が浮かぶほど、今思えば何とも珍妙な恰好であったことか。
没個性を謳いながらも、その実流行に流され目指す方向が同じであり、それが珍妙であれば有るほど今の若者から見ればさながら集団ピエロに映るのではあるまいか。
ましてやファッションの流行はリバイバルされるものといえ、こと80年代に関しては的外れで派手なイメージしかなく当事者としても巡って欲しくないもの。
小奇麗なブレザーの制服に身を包み、ネットで最先端情報を吸収し続け青春時代を過ごした彼には、おぼろげに知り得るボンタンのシルエットは新鮮であったことは間違いないであろう。
好奇心からか一度履いてみたいとまで言い出したが、ボウヤ、それは知らなくて良い。
そう、ボンタンはじめ肩パットに紺色ブレザー、ケミカルウォッシュに渋カジは黒歴史なのだ・・・。
そんな思いにふけながら、ビーバップハイスクールの画像を眺めていた私に衝撃が走った!!
石原さとみかわええええ!!!!!
こんなのがあったのかあああ!!!!!
※2004年と2005年の計2回、単発TVドラマとしてTBS系列で放映されました。
知らなかった・・・。
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