うる星やつら2


時は1987年8月5日(水)
場所は高新RKCホール 

ファン待望のOVA(オリジナルビデオアニメーション)が上映されました。

タイトルは「もう待てないっちゃ 夏まつりダ!! 復活うる星やつら」

日本全国を巡るこの企画は、他の高知スルーの名ばかり全国ツアーとは異なり、ここ高知にもしっかりと巡ってきて地元ファンの集いとしての役割も果たしました。



その内容は?



うる星やつら


・「夢の仕掛人、因幡くん登場! ラムの未来はどうなるっちゃ!?」OVA上映
・劇場版「うる星やつら」「めぞん一刻」完結篇 特報上映
・ミニコンサート
・予感・感激・激闘ゲーム大会。
・原画ポスター”ボーイミーツガール”付き。

・ゲスト

平野文、古川登志夫、島津冴子、千葉繁、成清加奈子、松永夏代子、他。

(一部地域除く!)


テレビアニメ版はこの前年1986年3月に放映終了しており、ファンにとっては久しぶりの新作アニメ版うる星やつら(ストーリーはファンならすでに知っている内容ですが)ということで、新作上映に加えて各種イベントもあり、まさに「まつり」といった内容の嬉しいイベントでした。



うる星やつら めぞん一刻



うる星&めぞん



別にまんがやアニメが趣味ではないという人にとっても、誰しも思い入れのある作品のひとつやふたつはあるかと思います。

わたしにとってそれは「うる星やつら」であり、「めぞん一刻」でした。

どちらも同じ作者、高橋留美子先生によるものですね。

とはいえ、「らんま1/2」「犬夜叉」といった先生の他の作品はほとんど見ていないので、たまたまこの2作品が好きだったということだけかもしれません。

めぞん一刻に至っては、高校時代進学は地元でいいかな、くらいに思っていた私を急遽東京の大学志望に変えた、ある意味人生の選択に影響を与えた作品でした。

学生時代の一人暮らしへの憧れが急に増してきたワケですが、まあ出先で響子さんのような女性がいるわけでもなく、フツーに過ごしましたけどね(笑)

私学への進路変更と、仕送りの負担増を承諾してくれた親には感謝しとります。



アニメ?キョーミないね



話をイベントに戻します。

当時は高校生。

ネットがない時代でアニメ雑誌も購入していなかったにもかかわらず、このイベントを嗅ぎ付けたわたし。

情報源はショッパーズのレコードショップでしたね。

イベント告知ポスターを発見するや否や、前売り券を即購入しました。


あのうる星やつらが帰って来る!!


その一点のみ夢中になっていたわたしが現実世界に連れ戻されるのに、そう時間は掛かりませんでした。


「あれ?・・・行くの恥ずかしい・・・かも」

 
無理もありません。

当時のわたしはアニメファンではなく、あくまでうる星やつらファン。

周りに同じ話題を共有出来る相手もおらず、何ならむしろアニメ界隈とは無縁のシティボーイ()を演じていたわたしは会場に足を運ばなければならない現実に面喰いました。


それに何より、うる星やつらと言えばラムちゃんの刺激的な虎柄ビキニが印象的。

男子高校生にとって、そういうアニメを見に出掛けることの気恥ずかしさといったら・・・。

90年代に入ればこういったコスチュームのキャラは珍しくありませんが、この当時はメジャーどころではラムちゃんとダーティペアくらいなもんですぜ。


とにかく一人で行くのは避けたいところ。でもどうしよ?


「まてよ、漫研の人間なら行くやついるかも!」


いやいや、漫研の部室を訪ねて仲間を集うなどハードル高過ぎてムリゲー。

クラスの女子にも漫研所属がいてそこそこ仲良くしていたけど、それとこれとは話が別だ。

う~む、どうしよ?





うる星やつら3



 

勇気を出していざ会場へ!



そうは言っても、日程はどんどん迫ってきます。

ただ、イベント日が迫れば迫るほど、恥ずかしさよりも期待の方が強くなる るーみっくパワー。


そして当日。

ええい、ままよ! 足は会場の高新RKCホールへ!!



と、いきなり会場前受付には3人の関係者がたむろっているではないか!

若い男女で当然うる星やつらには無関心なアルバイトであろう。

しかも眩いばかりのイケてる風オーラをまとっていらっしゃる。

当時のコカコーラのCMのような爽やか男女だ。 l feel Coke.


むむ! 15年生きてきて、これほど勇気を振り絞ったのは初めてと言えるくらい渾身の思いを込めて前売り券を渡すわたし!


もちろん何のおとがめもなく無事通過しましたが、何となく好奇の目で見られていたような・・・。

まあいい、ここを通過すればもうどうってことないさ。

意気揚々とホールを目指し、軽い足取りで到着したわたしの目の前に広がっていた光景とは!?





 うる星やつら4




地方会場の現実



上映日は夏休み。

高校生ともなれば1日ゴロゴロしているわけにもいかず、何かと用事があったため上映間際の滑り込み。

にもかかわらず、会場には空席が目立ちます。

満席熱気ムンムンを想像していましたが、どうも様子が違う。

サラリーマン組が遅れているのかと思いきや、上映が始まっても一向に観客は増えず・・・。 


 
結局このイベント、終始客席が寂しいまま終了を迎えました。

居合わせた人間からは精一杯の拍手声援が飛び交っていましたが、 少ない人数からのそれはかえって寂しさを増長させるようでもあり。


・・・いえ、本来こんなものかもしれません。

地方イベントが常に満員立ち見客有りなんて、世間的に相当なヒットコンテンツでなければ成し得ないことでしょう。

ましてや高知では事前のイベント告知も充分ではなく、そもそもうる星やつらファンの絶対数が少なかった可能性もあります。

今でこそアニメイトはじめ、先日の「まんさい」等高知のまんがアニメ文化は発展しており、交流の場も沢山出来ていますが、当時はそこまでメジャーな場はありませんでしたし。


とはいえ、このイベントではうる星ファンとも交流が図れて、内容ともども個人的には非常に思い出深い一日になりました。


ただ、知り合った方はもれなくわたしよりはるかに年上で、 お世辞にも「お兄さん」ではなく「おじさん」でしたね(笑)

それゆえ、わたしみたいな高校生は珍しく、受付でも好奇の目で見られていたのかもしれません。

また、若輩者だからこそ会場のおじさん、いえお兄さん方に声を掛けていただけたのでしょうね。

さしずめうる星やつら英才教育や(笑)




時は流れ、今のわたしはその頃のお兄さん連中に追い付き追い越す年齢になりました。

もしまた「うる星やつら復活祭り!」なんてイベントがあれば、あの頃と立場が変わるのかもしれません。


よし、高校生居たらうる星やつらの歴史から教えてあげないと♪

 

・・・って、イベントあったら行く気かーい!!(笑) 





 うる星やつら5






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