ゲームウォッチ1



以前ファミコンについての記事を書いたので、今回はそのルーツたるゲーム&ウォッチについても触れてみます。

ゲーム記事は読み手を選ぶかなあ?と思いながらもつらつらと。

ご興味のある方はぜひぜひお付き合いお願いします~。


ゲーム&ウォッチとは?



1980年任天堂より発売された携帯型液晶ゲーム機のことです。

液晶表示とはいえ、今の携帯ゲーム機のように細かいドット絵で構成された何でも表現出来る画面ではなく、液晶セグメントにより決まった箇所に決まった画像しか表示出来ない、パラパラマンガのような動きの画面です。




fire_anime01
動きのイメージ ※ゲームタイトル「ファイア」
(スマホからご覧の場合、クリックで動きます)



ただ、「ゲーム」&「ウォッチ」という名称ながら、時計は画面隅っこに申し訳程度に表示され、初期モデルではアラーム機能すら持たないという、あまり時計として使っている人はいないのでは・・・と思われるナゾ名称でした。



豊富なバリエーションで大ヒット!



ゲームとしてはとにかく単純明快。

基本的には画面左右のボタンでキャラクターを移動させるだけです。

上の「ファイア」などは建物で火災が発生し、やむを得ず飛び降りてきた人々をトランポリンのようなもので受け止めて左から右へ受け流し、救急車へ放り込むだけのルールです。
(今なら不謹慎でアウトっぽい内容ですが・・)


他、いろいろなバリエーションのゲームがありました。

限られた操作性ながら様々なゲームが発売され、見た目は多種多様に感じられましたが、基本は単純な操作で取説いらずで楽しめます。





ゲームウォッチ
※ゲームタイトル「ボール」



記念すべきゲーム&ウォッチ第一弾「ボール」なんて見たまんまで、いわゆるお手玉をしてボールを落とさないようにするだけという、今のキッズなら5分で飽きそうな単調な内容。


ところがこのゲーム&ウォッチ、全世界でシリーズ累計約4,300万個を売り上げ、当時赤字状態であった任天堂はたちまち黒字に転じました。

これで資金的余裕を得た任天堂はあの「ファミリーコンピュータ」を開発・発売し、以降超優良企業として君臨し続けることになります。

いわば、今の任天堂を築いた救世主といえる商品ですね。




1980年のスマホ



そのヒット振りたるや、社会現象とまで称されるほどでした。

今なら街中や電車内でスマホに興じる方々の姿を頻繁に見かけますが、1980年代はこのゲーム&ウォッチがまさにその様相。

子供向けの玩具かと思いきや、当時の大人まで巻き込んで猫も杓子もゲーム&ウォッチ。


なにせ開発コンセプトが「暇つぶしの出来るゲーム機」ですからね。

ちょっとした隙間時間に取り出してはレッツプレイ!


また、単調な内容とはいえ、当時はゲーム自体が珍しい存在でした。

ゲーセンでインベーダーが流行った後ですから、ゲームに対する興味が湧いているところに、「いつでもどこでもお手軽に」の商品コンセプトは老若男女問わず興味を持たないわけがありません。


「ポパイ」や「ミッキー」、「スヌーピー」といった誰もが馴染みあるキャラクターが登場していた点もブームに拍車を掛けます。


余談ですが、ゲーム&ウォッチ以降家庭用テレビゲームに人気が移行しますが、当初のゲーム機のドットの荒いグラフィックより、ゲーム&ウォッチの予めキャラクターをかたどって切り抜かれた液晶表示の方が、より繊細にキャラクターを表現出来ていたりしました。





カセットビジョン
初期の家庭用ゲーム機「カセットビジョン」の「与作」 
まあ雰囲気は伝わりますが・・・



ゲームウォッチ4
ゲーム&ウォッチ「ミッキーマウス」
誰が見てもミッキーですし、表情まで分かりますね



あの発明もゲーム&ウォッチから!



ただ、ゲーム&ウォッチのブームもそう長い期間ではありませんでした。

というのも、あのファミコンが1983年に登場し、ゲームの主流は一気にそちらに流れることになります。

ゲーム&ウォッチ自体も1985年に発売された「ブラックジャック」(漫画ではなくカードゲーム)にて終焉を迎えます。


当時を過ごした人間にとって、「あれ、そんな短かったっけ?」という意外な気もしますが、あくまでこれは任天堂のゲーム&ウォッチの話。

以前より他社から類似品が販売されており、それらを含めた一大ムーブメントだったわけですが、ファミコンのようなヒットゲーム機を持たない他メーカーからはしばらく発売され続けました。
(「所でよろしくサン・キュッ・パ!」のCMとか覚えている人いるかなぁ・・・)



ただ、ゲーム&ウォッチに端を発し、ファミコンにも引き継がれた偉大なる発明があります。



それが「十字キー」です!



ゲームウォッチ3



見よ!任天堂が特許を取得した(今は消滅)画期的なコントローラー、十字キー!!


この「ドンキーコング」にて世界初お披露目となりました!
(そういえば上下液晶2画面も何やら見覚えがありますね)


これにより家庭用ゲーム機は操作性の幅が広がり、シューティングやアクション等のゲーム文化が一気に花開いたと言っても過言ではない、ゲーム史に於いても非常に重要な転換期でした。


いやホント、これ以前の操作ボタンはまともにキャラクター動かせなかったんですから・・・。




今でも需要あり



さて、そんなゲーム&ウォッチ。

前述の通り、任天堂の商標としてのそれは30年以上前に姿を消しましたが、携帯液晶ゲーム機自体はまだまだ根強いですね。


といいましても内容はさほど進化することなく、キーホルダー型の本当にコンパクトなゲームとしておもちゃ売り場やゲーセンの景品で見掛ける程度ではありますが。


でも、本来の「暇つぶし」としての用途はしっかり引き継いでおり、むしろ暇つぶしに特化した商品としてまだまだ現役なのは嬉しい限りです。











高知県 ブログランキングへ
↑ ご支援のワンクリック
∩( ´∀`)∩ドウゾ (っ´∀`)っ))ヨロシク